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福耳
- 原語
- lobe-size
- 研究
- 英国 ロンドン大学
この研究のふむふむポイント
耳の形は遺伝する!?
耳の形状は成長に伴って変わることもありますが、大部分が遺伝するとされ、かつては親子鑑定を行ううえでの1要素にも用いられていました。
古くから縁起が良いとされてきた「福耳」
耳たぶが大きくふっくらとしている『福耳』は、仏の身体的特徴の1つとして、古くから縁起の良いものとされてきました。耳たぶが真下に垂れ下がるのではなく、上に米粒が乗るくらい上向きになっている形が最も良い福耳とされているようです。
「福耳」と遺伝子の関係とは?
ロンドン大学の研究の結果、耳たぶの大きさと関係する遺伝子が見つかりました。
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耳の形は遺伝する!?
耳には、厚みや大きさ、立ち具合など、人それぞれ少しずつ形状が違っています。耳の形状は成長に伴って変わることもありますが、大部分が遺伝するとされ、かつては親子鑑定を行ううえでの1要素にも用いられていました。
今回ご紹介するのは、「耳たぶ」に関する遺伝的傾向です。
古くから縁起が良いとされてきた「福耳」
恵比寿、大黒天、布袋尊などの七福神のように、耳たぶが大きくふっくらしている耳は「福耳」と呼ばれています。
福耳は、仏の身体的特徴を示す、『三十二相八十種好(さんじゅうにそうはちじっしゅこう)』の1つであり、古くから縁起の良いものとされてきました。鎌倉時代に成立した仏教説話集である『沙石集』に、ある僧が自分の福耳を人に売ってしまった結果、それ以降の福運を逃してしまい、福耳を買った人に福運が巡ってくるようになるという逸話が掲載されているほどです。
ちなみに、福耳の中でも、耳たぶが真下に垂れ下がるのではなく、上に米粒が乗るくらい上向きになっている形が最も良い福耳とされているようですよ。例えば、フィギュアスケート選手の浅田真央選手は綺麗な福耳だと言われています。
「福耳」と遺伝子の関係とは?
英国ロンドン大学の研究グループによる研究の結果、rs10212419というSNPに「A」を持っているほど、耳たぶが大きい、つまり福耳である傾向があると分かりました。
rs10212419にはAA,AG,GGの遺伝型がありますが、日本人平均と比べると
・AAの遺伝型を持つ人は福耳(耳たぶが大きい)タイプ
・AGの遺伝型を持つ人はそこそこ福耳(耳たぶがやや大きい)タイプ
・GGの遺伝型を持つ人は福耳でない(耳たぶが小さい)タイプ
という遺伝的傾向を持っているといえます。
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英国ロンドン大学の研究グループは、計5,062人のヨーロッパ人、アフリカ人およびネイティブアメリカ人の遺伝型と耳たぶの大きさのスコアとの関連解析を行いました。
その結果、耳たぶの大きさ、耳の立ち具合、耳珠の大きさ、耳の折りたたみなど7つの形質に関連するSNPが見つかりました。
対象SNPの遺伝型に基づき、以下のタイプに区分されます。
- 福耳でない
- 33.3%GG
- そこそこ福耳
- 48.8%AG
- 福耳
- 17.9%AA
参考文献
A genome-wide association study identifies multiple loci for variation in human ear morphology.
『沙石集』巻9-23
【対象SNP】rs10212419